孤独の定義録/
ただのみきや
風たちが姿を消した
――一瞬
井戸に落ちた片耳のリング
わたしの中のわたしのエコー
響かない鈴(りん)の透き通った苦悶
冷気の侵食 いのちの抗い
――再び
風たちに抱きすくめられて
なにかをまとい
なにかをひめて
誰もが青い地球のように
否 否 違う そう呟きながら
重ねられずに傾いて往く円環を
灯心だけ 揺らしながら
《孤独の定義録:2017年2月25日》
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