運命/
 
私が羊だった頃
彼は羊飼いだった

それはとっくの昔から知っていたことだったので
彼とはいずれ出会う運命だった

彼との出会いは
幼少期
ベロベロと舐め回した乾電池の
不快感を舌先に感じるくらいの
衝撃だった


彼は
私を褒めたり賺したり
交わしたり避けたりうまく飼い慣らす

運命とはとっくの昔から
決められている皮肉なこと
戻る   Point(4)