運命/
蜜
私が羊だった頃
彼は羊飼いだった
それはとっくの昔から知っていたことだったので
彼とはいずれ出会う運命だった
彼との出会いは
幼少期
ベロベロと舐め回した乾電池の
不快感を舌先に感じるくらいの
衝撃だった
今
彼は
私を褒めたり賺したり
交わしたり避けたりうまく飼い慣らす
運命とはとっくの昔から
決められている皮肉なこと
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