マシュマロ/そらの珊瑚
 
春のほどけぐあいが
足早にすすむころ
キミに会えるだろうか

冬はなにかしら
とんがっているから
(雪が積もった日は別として)
たとえば吸い込んだ空気の凍った針が
肺に刺さるんだという理由で
キミは不在だった
けれど
ほんとうに怖れていたのは
別に在った気がする

世界は鋭角があふれていて
うっかり触れれば
切れた指先から
致命傷には届かないほどの血が流れだす

それは
季節が変わったって
変わらないもの
そうわかっているけれど
昨晩みた夢の中で
キミの顔があんまり鮮やか過ぎたんだ
現実が過ぎていくだけのメレンゲに似た幻だとしたら
幻こそが溶ける
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