香り/
佐々宝砂
晩秋の土手です
枯草を焼いている人がいました
深い空に
白く見える遠い穴がひとつありました
気がつくと指がべとべとするもので汚れているのでした
甘いような気持わるいような香りが流れていました
(未刊詩集『異形小曲集』より)
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