フラグメンツ  雪どけ/AB(なかほど)
 
北へ

 南へ行こうと思う
 さよならと
 背を向けて



        梅林

         もう一度振り返ると
         梅の花にも似合わぬ
         二月の風が吹く
         少しずつでいいよと
         毎年吹く風が



雪々

 世界の涙に溶けそうな
 雪々に
 足跡をつけて行く
 その足跡もすぐに溶けて行く

 雪 降る げん
 そこに 雪 降っとるげん



       冬になればのたれ死ぬだけのキリギリス

        僕らの明日はどっかにつながってるんだ
      
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