歳をまたぐ/
梓ゆい
祖母の横顔を眺めて
かきもちを一つ頬張った。
今年もまた無事に誕生日を迎えることが出来て
もうすぐお迎えが来る。と足を擦り
時々小声でつぶやく祖母を思い出しながら
私は祖父の遺影に
感謝を込めて手を合わせる。
懸命に手を動かし
人よりもゆっくりとせんべいを割る祖母の指先は
少しでも長く生きたい。と
私に伝えているかのよう。
ぽりっ・・・・。ぽりっ・・・・。
と音がするしわくちゃの口元。
淹れたての新茶に
今年初めての茶柱が立つ。
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