もう勃たないかもしれない/はだいろ
ともあるといえばあるのか、47歳にもなれば。
朝、早い電車に長い朝日が差し込み、
眩しい温かみの中で考える。
俺の人生で、一番輝いた時って、いつだろうか。
いやそもそも、一度でも、俺自身が自ら輝いた瞬間って、一度でもあったのか。
向かいのおっさんの読んでいるスポーツ新聞で、
盛りを過ぎた惨めな芸能人のニュースが載っているのをもしも盗み読んでも、
少なくとも彼には輝いた瞬間があったのではないか。
そのおっさんはどうなのか。
どうですか。
隣のブサイクな女子高生よ。君はどうですか。
受験戦争肯定論というものがある。
俺は全く賛成しない。
だけど、確かに、受験で
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