いずれ途切れてしまうようなことからは、 直視、をこばんでいる、埃っぽい部屋のなかで、 ガレキのように積みあげられてゆく、粗末なボトルシップ、 木製の机のうえの、白いコーヒーカップの底には、 泥のように茶色い粉末が、ぬかるんだ匂いで、「停滞」、 をいつも暗示している、 夜はそのくろい髪をながくたなびかせている、 赤茶けたカーテンをめくって覗く、 窓のむこうの電柱、電球の切れかかった外灯が、 ぱちぱちと青白く点滅しているのを、ひとり、 ぼんやりと眺めている、