卒寿のかげ(二)/信天翁
 
    雪ぐもが 北風にながされ
 ほこらの立木が 愁いの波を打つ 
             その時 
     過ぎ去りし 壮んな齢の
        および腰のかげが  
       青白い幻影となって
         おいかけてくる
      
   卒寿のおひとりさまめがけて



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