ボトルシップ/本田憲嵩
 
頬杖をつきながら
お客の来ない占い師みたいに
ヒマを持てあましている
水晶体、
ではなく
液晶体から見とおす世界にも
いい加減マヒしながら


もうどうしようもなくなって
やがて詩想の断片のひとつひとつを
部品のように
空っぽのミニチュアボトルのなかに
詰め込んでゆく――


もうすっかり温くなっている
何杯目かのインスタントの安コーヒー
散らかった部屋のなかに
無数に積み上げられてゆく
売り物にならないちいさなボトルシップと
そんな日々


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