マスク/唐草フウ
こん夜
つけて寝るためのピンクのマスクがある
かの女はいま
どんな心の中の秒針を回して
何を燃焼し拍動し続けているのか
考えたりする
答えはどこにもない
海にも空にも星にも
そしてここにある 花にも
たたかいごとが好き
火種を拾うことも好き
そして嘘も大好き
やけぼっくいは捨てたり拾ったりもする
車窓に見える景色の先
アイライナーの筆の先
死角のあるブロックの先
感情をあるふりをする
感情を消すふりもする
悪いことを悪いと言いながら
悪いなんてちっとも思っていない
一日のごみは夜空に捨てて
”あんもくのりょうかいのじゅもん”を解いて寝床へと消えていく
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