ふるさと/
オイタル
また一枚
ふるさとから剥がれ
影のように
うっすら電車に乗る
私たちから
離れて行って
やがて
立ち止まる
立ち止まる
点々とする縁石の上で
淡い硝子戸の
上がり口の前で
私たちの据え付ける
椅子のような
木の根のような
という
ふるさと
ふるさともまた
生きることに夢中で
待っていてくれるだけのふるさとなど
どこにあるものか
そして またも一枚
影のように
ふるさとから離れる
電車
という電車が
あちこちを行く
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