小川/ただのみきや
 
も想えるその
円さ
ますます磨かれながら
時に魚が身を寄せて休息を得る
硬質でまろやかな
おまえの意思
尚も磨かれて洗練され
いつか千々に砕ける日まで
百年
あるいは千年
受け継がれる遺産


アオサギがおまえをのぞき込む
おまえの中に魚を見つけたか
否 闇雲に突いている
川面に映る自らの姿が
おのれの欲求と誇りを脅かす相手に見えるのだ
人もまた同じだろうか
ひとすじの流れに映る己の影に動揺し
心が波立って
おもいっきり石を投じたくなる
あたかも川のせいであるかのように
ひとすじの言葉のせいであるかのように
だが小川よ
おまえは無益な投石に水面を揺
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