桃色の目の端に。/りゑ
あなたは俗塵にまみれつつも
あなたの瞳はいまだ的確に澄んでおり
リトマス紙のように
結論を訴えてしまうのです
言葉を介さずとも
一方通行の気持ちを抱いているとき
あなたは目の端に桃色を帯びて話します
酔っているのが酒なのか想いなのかわからない
静かに迫る、困惑した桃色があなたを支配する
一方通行のベクトルの先は 或る時期わたしでした
あなたの強烈な桃色に戸惑い、そこは工事現場になりました
一方通行のベクトルの先は 今は別のひとです
あなたを別種の桃色に染めたそのひとに嫉妬し
わたしは懐かしき我々の工事現場の喧噪に郷愁を覚えます
あなたは遠いところに住むようです
わたしは情念の赤とフラットな日々のグレーを混ぜ
あたらしい桃色をつくろうと思います
パレットの戸惑いをなだめつつ
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