卒寿のかげ/信天翁
 
    腕ぐみで 冥想の真似をして
   過ぎた心情を つまんでみても 
 もはや 始まらないが どうしても
のどにつまるのは 青い年に生まれた  
      つぶやきの苦さ ばかり

        誰かに逢いたくても
     誰かと無駄話をしたくとも
     今や 叶えられなくなった
 独居で 卒寿のひとがいる ここに


戻る   Point(4)