卒寿のかげ/
信天翁
腕ぐみで 冥想の真似をして
過ぎた心情を つまんでみても
もはや 始まらないが どうしても
のどにつまるのは 青い年に生まれた
つぶやきの苦さ ばかり
誰かに逢いたくても
誰かと無駄話をしたくとも
今や 叶えられなくなった
独居で 卒寿のひとがいる ここに
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