パンクの意味/鈴置友也
のひだに現実的な社会の変化への希望を見出すことは不可能に近くなった。それはまるでどこでもドアのある社会を夢想するのと同じくらい馬鹿げていて、それ自体が現実逃避でしか、なくなったのだ。
そんなわけで、いつしかロックは現実逃避の音楽になっていた。パンクの萌芽とともにそれはあったし、Joy Divisionのイアン・カーティスは孤独と絶望を歌いながら死んでいったのであり、この間亡くなったレナード・コーエンは、ハレルヤという歌の中で、あなたへの愛とこの夜は、神様への<壊れてしまった>祈りである、と明確に歌っていた。ソビエトが崩壊した後に起きたグランジは、音の方向性をインドなどの方向線に変
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