記す物ではない、歩くシのケイタイ/狩心
 
なまったるい文章を一つ一つ読んでいくのが面倒くさいんです
そういう時代が来たのです
電子画面を突き破って私の心臓に突き刺さらない限り
どんな言葉も無意味なのです

それに比べて会話というやつは、次が用意されていなくて
今、この瞬間に生まれ出のです

そのやり取りの中で

新たな生き物がどんどんと沸いてきて、
 世界が変わっていく不変が
お祭りのように楽しいのです

ががががが…ぴゅー ひょろろ…
プログラムのアンドロイドの君が
最後にそんなことを言って息を引き取るなんて

本当の言葉は文字ではなくて、
会話の中にしかないのかもしれない
そう、生身の僕が呟いて
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