祝婚歌/葉leaf
 
声的な語らいの行く末にどんな様式を獲得するのか、そこに新鮮な迷路があるだろう。

生老病死と向き合う中で、君たちは多くの聖性に出会うだろうが、今一番聖なる存在はまさに君たちなのだ。その聖なる高まりの裾野を遥か見渡して、これまで見えなかった小さな美しいものたちを直視できるだろう。君たちはその聖なるまなざしを交わらせ、やがて降りていく先の俗なる論理の息遣いを聴く。

映像の中では多くの男女が愛を誓いまた死んでいった。君たちという映像は作品でもなければ芸術でもない。編集が不可能な生の愛情、そこにロマンスはないしカタルシスもない。脚本すら存在せず、撮り直しもきかない一歩一歩を歩んでいく中で、君たちは純粋な生命として表象を超えていく。おめでとう。




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