次の発車を待つ/竜門勇気
 

午前4時
夕暮れが恋しくなる頃
息の白さが深く沈む
繰り返すさみしさの波に
黒く溶けていく

闇の中で誰かがいった
こんなはずじゃなかったよな
そうだな、こんなのは
どっかのグズの悲劇でさ
俺たちに降りかかるようなもんじゃないって
信じていたし
ある場所までは実際そうだった

午前4時
いつの間にか悲劇を
着込んで震えてるのに気づく
息は白さを浅くする
呼吸は闇と等しくなる

頭の中で風は止んだ
何も変えられないし
もう何も耐えられない
透明になった風車
回ってるのかもしれないし
そうじゃないかもしれない
ここにはもう何もない
この場所では風は病んでいる


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