短歌 8 冬/グロタン
 
寝に入れば 夢惜しむように 響き合う
 真冬の夜の 磯のさざ波

寂しさも 悲しみもない この夜に
 神様を呼ぶ 神様と問う

降る雨に 宿無い猫を 気遣って
 なぜ望むのか 等しくあれと

濁世でも 何を求めて 星月夜
 砕けて散って なほ光る意志

心つくし 思い返せば 時は風
 そよぐ胸には 晴天の空 
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