メモ/水菜
 
ぅっと心を穏やかにされていく 故郷の海とはちがう匂い風、空、どれもがやわらかで包み込まれるようだ 聞くを記憶に留める メモをする メモは、メモで終わりではなく、次へと?がる架け橋にならなければならない 切れてしまいそうな糸の切れ端を持てば手渡しで続いていく
渦になって留まる
なめらかな波のおとが、さらりと攫っていくのは
すりきれそうだった風が温まり、留まる くぐれがちなおとが、ゆらめく
まるみをおびたおとが、ゆるりととろける
表情のない無責任がそのままゆらめいていく
ふくふくとさけべ
意識が遠のくさき遠くなるおとが惑う
かたいシクラメンに模された
フキノトウとそら
カーテンのむこうにあかくひろがるそら
滲むナマズ
波がゆれるどこまでも穏やかにとぎれなく揺れる
全てをとろけさせ、なくす
とおくに見える今
溶けた今が誘導され、やわらぐ
ほかをとどめて
おとが、溶けたように消えていく
傘と蛙キャラと風あかとける
キャラメルの粘り気
たぽたぽと揺れる水面
つくりかえていく



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