閉じ込められた夢の中で/坂本瞳子
 
脆弱な精神は
ただひたすらに
堕ちてゆく

硝子瓶の中
飛び出す気もなく
舞い続ける
澱のように

両の腕を翼の如くに拡げ
力なく曲げられた膝は
まるで駆け出すかのような
姿勢でいながらも

頭を上げ
目眩に襲われ
完全に気を失うこともできず
緩やかに堕ちてゆく
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