短歌 5 晩春まで/グロタン
 
意地をはる ところに花の 意義と義と
 築きあげるは 一筋の道

揺れてまた 揺られて落ちる 葉の命
 たゆたう風に 響く花の意

墓標なき 花の命を 弔うと
 ただ厳かに 春雷の夜

流れ去る 春の余韻に 足浸し
 さよなら告げず 吹いた口笛

春の日も 煩瑣の渦に のみ込まれ
 もう戻らない ブランコの風


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