夜毎の蝶/石瀬琳々
 
が奏でる音楽のような
けれど一瞬で消えてしまう美しいもののいのち


(その一瞬に 確かにある永遠を)


羽根の向こうの知らないくにを
きっとすみれいろから黄金色に燃えるそのくにを
夢のまた夢に見ている


(わたしのなかに眠っている ひみつの少女)


いつか少女を揺り起こしてそのかぼそい手を握り
窓を越えて飛んでいくだろう
たくさんの蝶が形作る夜明けのその羽根の向こう


心は (たましいは)


燃え上がり ひとつの炎となる



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