空の呼び声/
服部 剛
私の背後には、いつも
不思議な秒針の音(ね)が響く
――いつしか鼓動は高鳴り
――だんだん歩調も早まり
時間は背後に燃えてゆく
この旅路に
数珠(じゅず)の足跡は…刻印され
黄金の日々の方角へ
曲がりくねった道や
長い坂の向こうを見据えた
目線の先には、只
広やかな青い空
空色の画布に
巨きな時計は
薄っすらと浮かび
不思議な秒針の音が響き
旅の途上に立ち止まる、私を
遠い空から呼びかける
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