宿命の CANDIDE/ハァモニィベル
 
、遭うたびに必ず訊く彼女の言葉だった。

 それを周囲に話しても誰も真に受けはしなかった。ただ、唯一親友と呼べる朝雄だけは
ぼくの話を聴いてくれた。だが、かれは彼女の奇行をごくあたり前のように聞くだけだった。
それはきっと、朝雄自身が変わっているせいだ。朝雄はいつも、自分が自然の一部でないこと
を悔やんでいる人間なのだ。彼は、自分が山の木や、岩であればよかった、と常々ぼくに話していた。
自分が、雑草や川でないことが、彼には辛かったのだ。ある意味、彼もまた奇人なのだった。
だから、ぼくは、彼女の奇人ぶりを、もうひとりの奇人に相談していたことになるだろう。

 ぼく自身については、と
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