風物詩/なけま、たへるよんう゛くを
/ふと妻の犬歯が目立った
怖々言うと、目を見張る
それから傾いで私を見やる
妻はかまいたちになって飛び出した
/軽く強い奏で隣で
希望の調べががなる真横で
口には火種が憑き物で
現実に甘いものの甘味がぐれてて
人は爆弾に告白したり告白を最後の爆弾にしたり
うまいとか不味いとかで食べた食事を日記の文面としてすげなく投げつけて袂を別つ
夢は思い出すと夢でなくなり思い出は思い出すにつけ夢見が勝り
瞳が人生より鈍り
肩に手を掛けたり
疲れが椅子に手を掛けさせたり
時に恩義を手に掛けたり
はたまた繋がりに開くもろ手は煤けていくのに相違ない
希望の謳歌が耳を突き
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