不死鳥のような夜/吉岡ペペロ
 
夜を歩いていると

町が優しく見えるようなことがある

いま抱えていることも忘れて

風や足音や

ひかりや匂いにこころを放つ

さらさら揺られながら

すべてを失いながら

幼いころに戻りながら

子供みたいな未来を見つめている


こんな暮らしなんて

描いてもみなかった

こんな気持ちのうちに

不死鳥のような夜を

歩くしかないなんて


夜を歩いていると

町が優しく見えるようなことがある

いま抱えていることも忘れて

風や足音や

ひかりや匂いにこころを放つ

さらさら揺られながら

すべてを失いながら

幼いころに戻りながら

子供みたいな未来を見つめている





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