かなしい/
ただのみきや
理由(わけ)もなくかなしい時がある
理由はあっても 不明なのだ
本当は
居場所の見当はついている
古い古い付き合いの 理由を
引っ張って来て 座らせて
またも千日手を繰り返すなら
かなしいも きっと破綻してしまうから
降り積む雪は音を消し
コーヒーの湯気は記憶をくすぐる
ああ みんないい役者 名脇役だ
あとは朴訥でいい 一行か二行
かなしい は 包み隠すことば
雪のように 心の骸 生乾きの形相を
《かなしい:2017年1月21日》
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