雪兎/藤鈴呼
お前は白い犬ではないと 呪文の如く 唱え始めた
連なる氷柱
垂れ下がっている屋根の角度まで
あと どれくらい
走り始めたタイヤを 歯止めするかのように
馬の轡型に並ぶ 葉の絨毯を 眺めつ進む
どう眺めても リードしか 繋げなかったであろう
早朝の陽射しは ハンパない程に 眩しいから
サンバイザーを 真横に建て付けて
その内 正面に戻すからサと 楯突くのです
ゆっくりと作業しないと 頭上に落ちるから
注意散漫のままでは ひんやりした感覚に 苛まれますよ、
と 和尚
和の心を以てして この難問が 解けますか
などと 問う
質問者
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