懐かしくない / ある女の子篇/末下りょう
きる
時が過ぎるというよりわたしが挑みながら過ぎ去る
ただ定規とコンパスと縦笛とスマホを駆使した地形学的ランドスコープで次の瞬間を見いだすまでこの瞬間を離れない
すべての時計が時限爆弾に見えたりするとき
わたしを赦さないことでわたしを冒涜してしまうとき
絶えず出直せるスタンスがきっと生を強調する
それは不可能みたいなものをつくってそこに可能性をみせてくれる
あとは最後の手品にわたしをもっと慣れさせればいい
自分の居場所と目標は自分を信じたときに生まれる
細工されたサイコロだろうが投げるまえは何よりも強く握る
世界がどっと哄笑に満ちてくために
音を鳴らしたいと思ったときにはもう鳴り響いてる
星と虫が土に還る砂のように墜落する光を掴み領土にする夜は風
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