あると仮定して/ただのみきや
 
りも遥かに微細で顕微鏡的眼差しにだけ反応し
脈動する黒い繊維の切れ端のようなもの――
(あるいは忘却の果てに虚無と化して堆積する砂塵の沈黙が
思考の無風にすら濛々とする中――
それでも残された拇印のような何かを刻んだ一片の石――
あらかた摩耗していたとしても尚も幻影の如く浮かび完全には消え去らない
生と死を貫いた一条の残光に寄り添う影ゆれる糸――)
origin――∞∞ウイルス遺伝子∞∞――天生のなにものか




               《あると仮定して:2017年1月18日》








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