春待人/ゼロハチ
冬ながら
空より花の散りくるは
雲の彼方は
春にやあるらむ
私たちは
時に自分に負けてしまいます
誰に赦されても
誰に愛されても
足りない命を食いちぎって
乾いた喉を潤そうとして
知らないあいだに夜になってしまいます
泣いてしまいたい
このままいっそ朝を待たずに
いちばん暗い夜明けの星と一緒に
海のむこうへ消えていく雲のように
鳥たちが見ている水平線へと、
本当に静かに
だけど命はとても強く
私たちに生きることを促します
私が何度止めようとしたとしても
最後の一振り
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