工場とららぽーと/
吉岡ペペロ
みだった
妻から息子が暴れていると連絡が入り残業を切り上げたのだがこんな時間だった
ららぽーとの入り口で待ち合わせた息子は建物のなかに入ることが出来なかった
優しさと痛みをくっつけてくれるのは
あたたかさだった
優しさと痛みだけなら傷つけるだけだった
冬の光のような
さわやかな絶望と楽しげなかなしみ
太陽と地球の距離、そのあたたかさが
優しさと痛みをくっつけてくれるのだ
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