合掌/梓ゆい
 
父との思い出は
手元の写真よりも鮮やかに
私の脳内でアルバムの1ページをめくる。

三回忌と言う名の一区切り
悲しい/寂しいと呼ぶ感情を
前よりも薄めてゆくために。

葬儀の日と同じ白く濁る冬空の下
微笑む遺影の前では
三人姉妹が仲良く並んでいる。
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