不器用な縫合/
葉月 祐
リ切られたのは
からだではなく こ こ ろ でした
その深手をうまく縫い合わせる術をわたしは知りません
どこから来たかも分からない切り裂き魔を
道連れにするように
眠りという死で この傷口をふさぐ
時の糸で 静かに縫い合わせていった 感情の溢れ出る穴
ようやく安堵して
眠りたかった夜に 意識を沈めた
ところどころほつれている傷も やっと目を閉じた
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