桂花?/鵜飼千代子
 


金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ角のある若い味だ
時間が育ててくれるのをしばし待とう

焼酎漬けの花は変色せず
鮮やかなオレンジ色のままだった
捨ててしまうのは切なく淋しい

そうだ 蜜煮にしよう

グラニュー糖に金木犀のお酒を少し入れ 
熱してシロップを作る

すっかり砂糖が溶けたところに 焼酎漬けの金木犀の花を入れ
少し火にかけたら火を止め 自然に冷めるまで待つ
肉厚の花びらにほんのり甘味が入る

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