あなたのいない夜に/
霙小町
しんと静まる世界に
取り残される
眠れないわたし
あなたのいない夜に
眠り方すらわからない
そっと吐き出したネクタリンの皮
大人になりきれない
切れ端のわたし
みずみずしい唇は
濡れたまま
さまよって
甘いより酸っぱいを
こころがキリリと
締めつけられるような
快感を含みたい
ひっそりとした夜に
口寂しいのね
寝転がってひとくち
伝う果汁にきのうのあなたを思って
こころがキリリと
締めつけられるような
ああ なんて酸っぱい
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