白日夢/レタス
 
を失い
いつの間にか
都に着いてしまったのだ

猫の都で狐のお面は笑いと喝采を受け
三毛やサバトラ
茶トラ、ぶち猫に鮭とばを振る舞い
壮絶な歓待を受け
青猫の案内のままに歩んで往くと
そこは都の御所だった

青猫は慇懃にゴロゴロと喉を鳴らすと
御簾の向こうで丸々とした黒猫の帝が
ぼくを珍しそうに眺めている

よくよく見れば
帝はうちの黒ちゃんじゃぁないか
鮭とばを投げると
にゃ〜んと飛びつき
普通に太った黒猫に戻ってしまった
其処は御所でも何でもなく
うちのリビングだった




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