ひとりひとり、ひとつひとつ/千波 一也
他を軽んじたり
他を切り捨てたり
そんな
おそろしい力を
いつのまに得たのだろう
ひとは
いつのまに
富める生命に成り果てたのだろう
ひとは
ひとりでに
咲いたりはしない
ひとりでに
包み込んだりもしない
誰かをおもって
誰かがおもって
ひとは時とともに
こころとともに変わりゆく
どうか
明日は晴れますように
あるいは風が起きますように
はたまた雨が降りますように
きっと
誰かの願いが聞こえる一日でありますように
空でつながれますように
戻る 編 削 Point(2)