ぬめぬめ/ただのみきや
ダニも そして他のミミズもナメクジも
それぞれ自分の営みを続けつつ――
(似た者同士だよなぁ……)なんて思いながら
――突然!
天地がひっくり返り真夏の日差しが降って来た
ひとつの世界に今終りが訪れたのだ
「うあっ キモチわる―い! 」
数人の子供の顔がのぞき込んだ
木の枝で突き回しては 直ぐに飽きて 行ってしまう
足の多い者たちは逃げ遂せたが
件の二人は干物になった
ぬるぬるぬめぬめを失うと ほとんど何も無く……
残された死を齧りながら
(ぬるぬるぬめぬめでもいいのに……)
見えないほど小さな命が呟いた
(蟲(…シ)ナンダカラ……)
《ぬめぬめ:2016年12月23日》
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