しみ/次代作吾
たましいの背中に
ひとつ
ふたつ
しみがある
ちきゅうが
完全なる球体では
ないように
たいように
黒点が
あるように
つきに
海が
あるように
くるまの
ハンドルには
あそびが
あるように
五円玉に穴が
空いているように
心にも
穴があくように
みじんこの
背中に
羽が
生えているように
言葉が
雨だれ式に
左に
進むように
橋
トロルが
がらがらどんに
蹴散らされるように
やぎの兄弟が
草を食むように
その目つきのように
はるめる
ほんとうのことを
串刺しにして
海が
ふくらんで
さらっていくように
夕暮れどき
染まる
うすいブルーがきれいで
向こう側
ポピパペポ鳥が飛んでいく
ベランダの洗濯物が
風に揺れていやいやを
するように
かわいた風に吹かれて
おしるこが
あくびをするように
心のきしむ音で
踊ろう
朝がくるまで
しみだらけの羽を
たたんで
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