ふたつ 満ちて ?/木立 悟
 






額の上の
紙の風見鶏
けだものはただ聴いている
手のひらのなか冷える円柱


空のはさみ
晴れとしずく
風と渇き
音と苦み


筒の空を伝う水
上の上まで雨と虹
震え 震え 降りそそぐ
裂けめに咲く花 降りそそぐ


何ひとつ思い出せない朝に
時計は壊れ
繰り返し示されたはずの事どもが
涙のなかに消えてゆく


呑んでも呑んでも降る風に
震えと光は増してゆく
ひとつの立方体の内側に
膨らんでゆく双つの球体


どこまでも冷たい手のひらに
火は まとわりついてゆく
夜の天気雨 夜の虹
風の終着のけだものを呼ぶ
























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