12月、意味のない橋と思慮深いカラス/ホロウ・シカエルボク
ことに興味があるらしい
カタパルトに乗った戦闘機みたいな恰好で
きみの背中のあたりを見つめている
あのカラスがどんなことを考えているのか
スマートフォンが教えてくれたら面白いのに
12月だというのに
妙に気温が高くていやになっちまうな
長袖の先で額の汗を拭う
きみは
おどけた調子でぼくに手を振っている
きみの指先に合わせて
カラスの
くちばしが揺れている
大事な話をしなくちゃいけないのに
空は
気持ちよく晴れている
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