モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
だったが、僕には見えてしまった。途端、僕は無気力になった」
私は疲れた。生きるのは無意味だと思った。無意味であったが輝きは輝き、それはどういう意味だろう、と考えた。無意味、無意味、輝き、輝き。私は形あるものが壊れるのを悲しんだ。
私はギターの弦を張り替えている。死は、もうそばに来ているから。
無言であることが好ましい。詩から無言が。そういう詩が、理想だ。
私は懐かしむ。吃りながらの饒舌にひそむ、静寂を。
感じるひとも、感じないひとも、同類だ。
飽きるというのはいいことだ。全てにあきればやっと。見えるよ。
空白。とか
老いる、老いる、老いるよ。
(エ
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