モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
り込むだろう。それでなければ路上に放り出すだろう。それでも僕が生きなければならないとしたら、せめて死ぬときぐらいは笑ってやるさ。意識が残っていればの話だけど。僕は、ただ認めて欲しいだけなんだ。でも、僕がひとに与えられるものなんてあるだろうか? 僕に出来るのはただ無様だとしても生き続けることだけではないだろうか。ひとになにか影響を与えたいなんて、それこそ傲慢な考えなのではないだろうか。
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あー、あー、残るのは、単純な信仰。それだけですよ。無意味で無駄、そしてあさましくもみっともない宗教的恍惚。それに従うだけ。知的っぽいものに取り憑かれたひとは知的っぽく見え、知的じゃないものに取り憑かれたひ
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