モラトリアム・オルタネイト/由比良 倖
 
か」
「わからない。君と会話がしたい。君は率直だし、何をすべきかを心得ている。でも、僕はわからない。僕は、楽しくなりたいんだ。いい詩を書くことが、楽しいことなんだけれど、自分が心底この世界には属してないと感じたとき、僕は、この世界を深く知ろうという欲求をまるで無くしてしまうんだ。世界とではなく、あるいは社会とではなく、僕は、人間と繋がりたいんだと思う。でも、それは逃げの常套句なのかも知れない。僕はもっとこの世界に馴染む努力をすべきなのかもしれない。それは世界の問題ではなく、多分、僕の問題なのだから。僕は、知りたいと思う。世界は、限定されたものではなく、無限なものであるのなら、少なくとも想像できる
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