雨上がりの庭/印あかり
洗いたての芝生がちろちろと
脈を交わらせている
川までの道すがら
ちいさな生き物は溺れ死に
汚れた内臓は、光る命へと洗われる
車椅子に花を差し入れる
目を細めてファインダーを覗き
シャッターを切る瞬間、
決して手が震えないように
心臓をきゅうと絞るのだけど
溢れて震えて止まない
あなたの皺が美しいのは
そこに影が落ち込んだから
あなたの白髪が煌めくのは
青い風が絶え間なく吹き荒ぶから
あなたとあなたを取り巻く総てを
ひとつの名前で、舌たるく呼べば
ネガフィルムはほうっと光り
私はいつだって思春期に帰るのです
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