吉野(その三)/tonpekep
勝手神社から天王橋を歩き、そこからかみせんぼんの山道を上る。
しかし、これが大変の何ものでもないほどきつかった。満開の水分(みまくり)神社まで行こうということになって、山を上って来たのだが、いつになったら辿り着くのかと思えるほど坂道が果てしなく続く。
運動不足な上に余計な体重も最近増加させているために、気の遠くなるような思いで、途中何度か息が上がってしまい、立ち止まっては歩く、歩いては立ち止まるといった事態であった。暑さでTシャツ一枚になり、上着を腰に巻き付ける。花を愛でるなどという余裕などまるでなく、まだか、まだか、まだか水分はと、花見という目的から、とにかく水分神社に到達するということ
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