/はるな
おいしい出汁をひく方法とか、どうしてこんなにさびしいのかとか。
なだらかな弧をえがく道を行ったり来たりしている、それもときどき立ち止まりながら。ときどき先があかるすぎて、途方にくれてしまう。あかるすぎるのは、何も見えないのとよく似ているうえにどこか脅迫的だ。幸福でなければならない、と言われている気持がする。不幸になる理由はないのだから、と縫い付けられて、自分から息をとめていた。わたしは不幸でも幸福でもなかったけれど、さびしかった。からだじゅうさびしくて、息をとめながら、どうやって息をすればいいのか考えていた。ためすのはこわかった、だれも良いと言ってくれなかったし、そもそも良いのかどうかを聞くこともできなかったから。助手席にすわって、どんどん進む景色をみながら、誰もいない運転席を知っていた。
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